令和6年4月22日
日本地すべり学会会長 笹原克夫
1.設立の経緯
令和6年1月1日16時10分に発生した能登半島地震により,石川県の能登地方から富山県,そして新潟県にかけて甚大な地盤災害が多数発生した。能登半島では中山間部を貫く高速道路や半島北部の海岸線を通る国道が,沿線からの斜面崩壊等により寸断され,短期間ではあるが,中山間地や海岸沿いの集落が孤立したり,また人命救助や緊急・応急対応に大きな支障をきたすこととなった。また海岸沿いの平地では液状化による地盤変状により家屋が大きな被害を受けた。これにより能登半島の住民の生活は大きな打撃を受け,それ故これらの地域の過疎化に拍車をかけることが危惧されている。能登半島のみならず,金沢市周辺でも液状化等による地盤変状による建物の被害や,盛土で築造された住宅地が崩壊により被害を受けている。このような土砂災害・地すべりや地盤変状による被害は,隣県である富山県や,その隣の新潟県でも多く確認され,これらの地域も大きな被害を受けた。
これらの災害を受けて,日本地すべり学会は,関係する諸機関や学会と連携して,能登半島地震による土砂災害・地すべりや地盤変状の発生状況を把握し,そのメカニズムを解明するための研究活動を行う。また中山間地における,大規模地震による土砂災害・地すべりを防止するための方策を検討する。そしてこれらの研究活動により,今後の大規模な地震による土砂災害・地すべりや地盤変状による災害を防ぐことを目的とする。
2.委員会の目的
(1)本学会内の部や支部と連携して,能登半島地震に関連する土砂災害や地盤変状に関する研究活動を総括する。
(2)必要に応じて本委員会の下部に部会を設け,具体的な研究活動の実施を推進する。
3.活動内容
(1) 委員会の開催:本学会の能登半島地震に関連する研究活動の総括を行う。年に3回程度行う予定である。
(2) 部会の設置と開催:必要に応じて部会の設置と開催を行い,特定のテーマに関する研究を推進する。
(3) 報告会の開催:学会内の部や支部と連携して,能登半島地震に関連する研究活動の報告会を開催し,広く学会内外
に成果を発信する。
(4) 報告書の作成と公開:基本的には査読付き論文としての投稿を推進する。しかし論文としてまとめきれない資料に
ついては,資料集として編集し,公開する。
4.期間
令和6年4月1日より2年間
5.活動経費
年間数十万円の調査費が用意されています。これは主に委員会の開催や活動報告(会議費,報告書作成)に充てられ
ます。委員の活動経費は基本的に委員の自己負担とします。
6.委員:公募。日本地すべり学会員であることが条件です。
7.公募期間
2024年4月22日 ~5月22日
5.研究代表者
笹原克夫(日本地すべり学会会長,高知大学)
6.問い合わせ及び応募先
法水 哲(日本工営(株) 北陸事務所)
TEL:076-232-3154
FAX:076-232-3191
E-mail:a4783@n-koei.co.jp
なお委員応募の際は,① 氏名,② 所属,③ メールアドレス,④ 電話及びFAX番号,⑤ 住所,を明記し、題名を
「日本地すべり学会能登半島地震災害対応委員会の委員応募:(応募者の氏名)」として,メールにてお送り
ください。