(公社)日本地すべり学会斜面対策技術国際化委員会
斜面対策の設計技術に関する国際化の課題と対応を検討する委員会として2018年度に発足した「斜面防災技術国際化委員会」の活動期間が2023年3月で終了します。この委員会活動を引き継ぐ新しい委員会として「斜面対策技術国際化委員会」が発足し、2023年4月から活動を行います。
この国際化委員会の新規委員を募集します。斜面対策の設計技術やその国際化に関心のある方などで入会を希望される方は下記メールアドレスにその旨を記載して応募して下さい。メールの件名は「国際化委員会の委員応募」として下さい。メール内容に所属と氏名、簡単な志望動機の記載をお願いします。メール内容の書式は自由です。
<目的>
近年,斜面災害関連の研究や事業を海外の開発途上国や中進国で行う事例が増えているが,そこで問題となっている技術面の主な課題は以下の通りである。海外で活躍する日本人技術者のために,このような課題に対応した斜面対策工の設計に関する技術解説書等を整備することを主な目的とする。
①日本と異なる地質条件や気象条件の地域で,日本の基準をそのまま適用できない場合がある(例えば,切土勾配)。
適用できるような条件の地域であっても,その基準の数値等の根拠を説明する必要がある。
②日本の技術者は技術基準に掲載された数値や設計手法等を利用しているが,古くから利用されている基準値等が多い
ことから,それぞれの基準がどのようにして生まれたかの背景を知る技術者は少なくなっている。
③斜面災害に関連する国内の技術基準書には,長年の慣習として使用しているものの理論的な裏付けのない手法や力学的
な厳密性に欠ける手法がそのまま掲載されているものもある。このような論理的な問題のある手法をそのまま海外で
利用するのではなく,その経緯や問題点及び利点なども含めた解説が必要である。
④日本の多くの斜面対策工の設計方法は昭和の時代からほとんど変わっていないが,同じ工種の設計方法が欧米と異なっ
ている。斜面対策の設計で一般的に利用する安定解析式の種類や利用方法も日本と欧米では異なる。開発途上国や中進
国の技術者は日本以外に欧米からの技術支援を受けており,斜面対策工の設計にも欧米の設計ソフトを利用しているこ
とから,欧米の設計方法を理解している。海外業務に従事している人を含め,日本には欧米の設計方法を知らない技術
者が多い。
<斜面対策技術の国際化に向けた具体的な取り組み内容>
①国際化を行う上での各種国内基準の設計上の課題に関する整理
②各種国内基準の技術背景及び制定過程の整理
③上記の①~②を取りまとめた成果品1「斜面対策技術の課題と解説(日本語版)」の製作
④上記の①~③を取りまとめた成果品2「斜面対策工設計技術解説書(日本語版)」の製作
⑤成果品3「斜面対策工設計技術解説書(英語語版)」の製作
⑥斜面対策に関連する専門用語集(日英対比表)の製作
<活動期間>
2023年度~2025年度(3カ年)
<申込み・連絡先メールアドレス>contact2@landslide-soc.org
以上