FAQ
Frequently Asked Questions 【 新公益法人と役員選挙に関するご質問 】
- Q1.新しい公益法人の概要を教えてください。
- A1.
- 公益法人はこれまで明治29年制定の民法第34条に基づいて設立されて来ましたが、設立許可が主務官庁の裁量によって為されており、許可基準が明瞭でないこと、情報開示が充分でないこと、公益性を失った法人が存続してしまうことなどの問題が指摘されていました。これらの問題点を解消し、今後の民間非営利部門の健全な発展を促進する必要があることから、公益法人制度の改革が模索されて来ました。
- 平成18年の通常国会に従来の公益法人制度を刷新する関連3法案が提出され、可決成立しました。通常これら3法は「法人法」、「認定法」、「整備法」と呼ばれています。平成20年12月1日にこれらの法律が施行され、この日から5年の間に、既存の公益法人は「一般社団(財団)法人」又は「公益社団(財団)法人」への移行申請を行なわなければならなくなりました。この間に手続きを行なわなければ、法人は解散となり、任意団体として存続する以外の方法は残されていません。当然「社団法人」を団体の名称に使うことは出来ません。
- Q2.一般社団(財団)法人と公益社団(財団)法人の違いは何ですか。
- A2.
- これまでは、主務官庁に公益性を認められた民間団体だけが法人格を得ることが出来ました。
- 新たな法律の下では、法人法に定める要件を満たせば、公益性の有無に関わらず登記のみで一般社団(財団)法人を設立することが出来ます。一般社団(財団)法人のうち、認定法の基準を満たした法人は、国の公益認定を得て公益社団(財団)法人となることが出来ます。公益認定の主な基準は、1.公益目的事業を行うことを主な目的とすること、2.経理的能力、技術的能力を有すること、3.特別の利益を与える行為を行なわないこと、4.収支相償であると見込まれること、5.遊休財産額が限度を超えないことなどです。
- 1.については、公益目的事業の割合が実施する事業全体の百分の五十以上、つまり金額費で過半の事業が公益目的事業でなければなりません。2.については、法人を維持し、事業を行うに足るだけの専門的知識を有する必要があります。地すべり学会は専門的知識集団ですから、技術的基礎については問題がありませんが、経理については税理士などの適切な関与が必要です。3.については、例えば会社が株主に配当金を分配するなどのように、会員や理事、関係者などに利益配分をすることは禁止されています。4.の収支相償とは簡単に言うと公益事業の収入が支出を大巾に上回ってはいけないと言うことですが、個々の事業及び公益事業全体について二段階で計算を行い、「収入-費用」の額が一定の範囲に収まっている必要があります。5.の遊休財産額については、具体的な使途の定まっていない財産の額が、年間の公益目的事業費相当額を超えてはいけないと言う制限が課されています。
- Q3.特例民法法人とは何ですか。
- A3.
- 法人3法が施行された平成20年12月1日以降は、旧民法に基づく法人はなくなりますが、この法律が施行される以前から存在した公益法人については、整備法によって一般社団(財団)法人と見なされます。この法人を「特例民法法人」と呼びます。現在の地すべり学会も特例民法法人に該当します。特例民法法人では、名称の変更など、新しい法人法が定めるいくつかの条項は適用を除外されています。特例民法法人は、新法に基づく一般社団(財団)法人または、公益社団(財団)法人の登記がなされる時点までの暫定的な呼称です。
- Q4.地すべり学会は何故一般社団法人ではなく、公益社団法人への移行を目指すのですか。
- A4.
- 1.現状で、地すべり学会のシンポジウムや研究発表会の開催、学会賞の授与、研究への補助など主要事業はすべて公益事業の要件を満たしています。
- 2.事業を行うことで利益を生じてもいません。
- 3.過大な内部留保もありません。
- つまり現状で、公益法人の要件をほぼ満たしています。将来に渡ってもこのような状況が変わることはないと考えられます。他方、任意団体になれば、これまで培ってきた法人としての地位が雲散霧消してしまいますし、税法上のメリットもなくなります。一般社団法人を選択した場合には、これまで保持していた公益目的財産を、公益目的支出計画を作成して数年間かけて使い切らなければなりません。なんとも残念な話です。今後、公益事業が50%を切ることが予想されるのであればともかく、多少の経理作業が軽減されるとしても、今後も100%に近い事業が公益事業となる地すべり学会が取る選択とは思えません。
- 上記を勘案し、多少経理上・事務上の作業が増加しても公益社団法人を選択することが相当であると判断されH21年度の理事会及び総会で公益社団法人への移行が決議されました。
- Q5.公益社団法人になるとどんなメリットがありますか。
- A5.
- 1.公益社団法人を名乗ることが出来ますので、「公益」法人であることが明示されます。
- 2.自動的に「特定公益増進法人」となりますので、寄付をされる方は、個人・法人とも税の優遇策の対象となります。
- 3.認定法上の公益事業は、他の法律で収益事業に該当しても非課税となるなど、税法上の数々の優遇を受けられます。
- 4.上記のほか、科研費の申請等で、自己の身分を証明する書類が不要になることが期待されます。
- Q6.何故現在の理事定数35人を新法人では20人に減らすのですか。
- A6.
- 公益社団法人は、理事会を設置する必要がありますが、現在の定款では、理事会の成立要件は定足数が3分の2以上で委任状(議決権の代理行使)が認められています。しかし、法人法では、定足数が過半数と緩和されるものの、委任状は認められません。従って、確実に理事会に参加することが期待出来る理事を選任する必要があります。また、内閣府の民法法人連絡協議会申合せでも「特別の理由がある場合を除き、20人を超えないこと」とされており、少数精鋭であることが求められています。
- Q7.公益社団法人に認定される可能性はありますか。
- A7.
- A4.で述べたように、現状で地すべり学会の活動(事業)は、ほぼ、公益認定の基準をクリアしていますので、認定される確立は高いと考えられます。仮に、現状で不適合な部分があったとしても、5年の間に不適合部分を修正し、認定されるまで、不退転の決意でトライすることになります。
- Q8.公益社団法人に移行する(認定される)のはいつ頃ですか。
- A8.
- H21年3月中に申請を行う予定ですが、公益移行認定の審査所要日数は平均153.4日(H21.11末現在)となっており、5ヶ月強を要しています。従って、9月初旬頃に認定される可能性が高いと考えられます。しかし、地すべり学会固有の問題があるかも知れず、また、2万数千団体と言われる公益法人の中で、申請済みの法人は516団体(H22.2.1現在)で全体の2%程度、認定・認可を受けた法人はまだ148件に過ぎず今後の動向は流動的です。
- Q9.現法人の役員の任期と新法人の役員の任期について教えてください。
- A9.
- 今度の役員選挙では、現法人(特例民法法人)の理事・監事と新公益法人の理事・監事を選任します。
双方の役員とも、2月28日投函までの投票を選挙管理委員会委員立会いのもとで開票し、その結果を5月14日開催予定の総会に諮り、会員の承認(決議)を得て確定します。現法人(特例民法法人)のH22・23年度役員の任期は総会翌日から開始となります(現定款第14条第2項)。但し、対外的には登記(2週間以内)されるまで有効とはなりません。その後、公益法人が認定され、新法人の登記が完了した時点で、現法人(特例民法法人)の役員の任期は終了します。役員だけではなく、現法人(特例民法法人)も新法人に移行し、業務を終了します(決算などの残務処理は新法人に引き継がれます)。
- 登記によって新法人が発足し、同時に新法人の役員が就任します。新法人の役員の任期は、平成24年度の総会で、新役員が決議選任された時点までとなります。