地すべり学会研究委員会テーマ申請書
古谷尊彦(千葉大学理学部教授)
井口 隆(防災科学技術研究所)
最近の日本列島では、
1996年2月の北海道豊浜トンネルの岩盤崩落事故、1996年12月の長野県蒲原沢の崩壊・土石流災害、1997年5月の秋田県八幡平澄川の地すべり災害、1997年7月の鹿児島県針原川の崩壊・土石流災害、そして、1997年8月の北海道第2白糸トンネルの岩盤崩落など火山岩からなる地域で斜面災害が続発している。火山岩地域では火山性地すべり(温泉地すべり)を始め、斜面崩壊・土石流・岩屑なだれなど多種多様な斜面災害が発生している。また発生誘因には他の地域では作用しない火山活動も加わるためより多様化している。一方、最近は火山山麓ではリゾート開発などが急速に進んでいるため地すべり等の斜面災害が発生すれば大規模な災害につながること恐れがある。
本委員会ではこのように火山地域で高い頻度で発生する地すべりやその他の斜面災害に関して地形学・地質学をはじめ各研究分野における成果を持ち寄って検討することにより、その発生予測や防災対策に関する知見の集積を図る。また同時に、今後の研究の方向等についても検討する。
最終年度にはシンポジウムを開催し、その成果を会員に公表する。また学会誌の特集号として論文を掲載することも検討する。
4.年次計画
初年度:
1)火山性地すべり等に関するこれまでの研究成果の総括
・八幡平地すべり災害の研究成果の検証
・火山地域における斜面災害の発生事例を集め、その実態・規模・誘因・運動様式等に関して
取りまとめを行なう。
2年度−3年度前半:
火山地域の地すべり災害に関する地形・地質的要因の検証
日本各地の火山性地すべりの変質粘土鉱物に関する調査と検討
火山体の水文地質学的調査と検討
発生場所の予測、発生の時間的予測に関する検証
3年度後半:
1)全体の総括・取りまとめ
2)シンポジウムの開催
(
1998年6月10日)火山地すべり研究委員会のページに戻る